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木材構造図から見る木の性質と建築資材との関り
木材は、その成長過程と構造によってさまざまな特性を持っています。ここでは、木造構造図にあわせて、どの部分をどのように使っているのかを説明して参ります。
木材の成長には年輪という特徴があります。年輪は木が一年間で作り出す細胞の層であり、春から夏に形成される明るい部分と、秋から冬に形成される暗い部分からなります。年輪の幅や色の変化から、木の成長や環境条件が分かるのです。
木の幹の中心には髄と呼ばれる柔らかい組織が存在します。髄は木の成長初期に栄養を蓄える役割を果たします。髄の周囲には他の細胞が増えていき、木の幹が形成されます。この木の幹の主要な部分を心材と呼びます。心材は辺材よりも硬く、樹液や水分を少なく含んでいます。木を支える役割を果たし、耐久性が高いため、建築部材として重要な要素となります。
一方、心材の外側には辺材が存在します。辺材は柔らかく、樹液を多く含んでいます。辺材は生きている細胞で構成されており、柔軟性があります。ただし、狂いや腐朽しやすい性質も持っています。大きな木になると辺材は少なくなり、心材との違いがわかりにくくなります。辺材は心材よりも色が淡く、白太と呼ばれています。
そして、木の外側を覆っているのが樹皮です。樹皮は木の種類によってさまざまな表情を持ち、葉と同様に木の種類の識別に役立ちます。また、樹皮は木の形成層や幹を保護する役割も担っています。さらに、樹皮は装飾や薬品、染料としても利用されることもあります。
建築部材としての木材は、その特性を活かして様々な用途に利用されます。木材は自然の温かみや美しさを持ち、環境にやさしい資源です。木材の特性には、耐久性や断熱性、強度などがありますので、これらの特性は、建築において重要な役割を果たしているのです。
木材は、その特性を考慮しながら建築部材として利用されます。例えば、心材の硬さや耐久性を活かして、柱や梁として使用されます。心材は、建築物の構造を支える役割を果たし、長期間の安定性を提供します。
また、木材の断熱性や調湿性も建築において重要です。木材は空気を含みやすく、湿度を調節する能力があります。そのため、木材を使用した壁や床は、室内の温度や湿度を調節し、快適な環境を提供する役割を果たします。
さらに、木材は加工が比較的容易であり、様々な形状やサイズに加工することができます。これにより、建築の設計において自由度が高く、デザインの可能性が広がります。
ただし、木材を建築部材として利用する際には、注意点もあります。木材は自然素材であるため、湿気や虫害、腐朽などの劣化リスクがあります。そのため、適切な保護処理や定期的なメンテナンスが必要なのです。また、建築物の安全性や耐久性を確保するために、適切な設計や施工が重要です。
以上のように、木材の成長過程や構造を理解し、建築部材としての特性を活かすことで、木材を効果的に利用した建築物を実現することができます。木材構造図は、その理解を深めるための貴重な情報源となっています。
部位別の説明
【年輪】
木が成長する際にできる細胞の層
年輪は春から夏と秋から冬にできる
年輪の幅や色の変化から木の成長や立っていた方向がわかる
木の樹齢を数えることができる
【髄】
木の幹の中心にある柔らかい組織
木の成長初期に養分を貯蔵する
周りに他の細胞が増え、幹を形成する
【心材】
髄の周りに位置し、木の主要な部分を構成する
水分や樹液を少なく含み、木を支える役割を果たす
赤身や赤太とも呼ばれ、耐久性が高く利用価値がある
【辺材】
心材の外側にあり、樹皮との間にある組織
柔らかく樹液を多く含む
生きている細胞で構成されており、柔軟性がある
木の大きさによって少なくなり、心材との違いがわかりにくくなる
辺材は白太と呼ばれ、色が淡い
【樹皮】
木の一番外側にある組織
形成層と幹を保護する
木の種類ごとに異なる表情を持ち、樹種の識別に役立つ
装飾や薬品、染料にも利用される
【背板】
製材用の木を切り取った残りの樹皮側の端材の事